転職活動を無事に終え、次のチャレンジが決まり、いよいよ今勤めている会社に退職の意思を伝える時。しかし、そこには色々なリスクやハードルが存在ます。
退職交渉のやり方を間違えるだけで、交渉が進まず、退職日が遅れ、次の転職先に迷惑をかけることになる恐れもあります。
今の会社を円満に退職し、次の新天地にスッキリした気持ちでチャレンジするためにも、事前に退職交渉の流れやポイントを把握しておきましょう。
退職交渉がすでに難航している方は、「退職交渉が難航した場合の解決方法とリスク回避方法」の記事をご覧ください。
もくじ
退職交渉に入る前にやるべきこと
退職交渉に入る前に、まずは以下の2点をやりましょう。
- 就業規則で退職に関する規則を確認する
- 引き継ぎを前提として現在の業務を整理する
就業規則の何を確認?
就業規則を確認する目的は、会社の都合で不利益を受けないようにするためでもあり、会社のルールに沿って、しっかりと退職手続きを進めるためでもあります。
ただし、就業規則を確認すると言っても、文字だらけで嫌気が差してきます。
そのため、これから記載するポイントをしっかりと押さえることで、効率的にしっかりと確認をしましょう。
- 退職に関する項目(退職届の提出期限、退職決定の条件など)
- 賞与に関する項目(賞与を受け取るための在籍期間など)
- 退職金に関する項目(支給条件や金額など)
- 休暇に関する項目(有給の残日数、未消化有給の取り扱いなど)
就業規則の中にはなく、別途規則を作られているものもありますので(退職金であれば、退職金規定など)、しっかりと確認をするようにしましょう。
現在の業務を整理する
現在の業務を整理する目的は、会社側の都合で退職日を引き延ばされないようにするためです。
業務内容によっては、引き継ぎに時間が要するケースは必ず発生しますし、その業務に対しての責任を全うしなければなりません。
しかし、業務というのは、あなた個人がやっていることではなく、会社という組織の業務であり、それが個人に割り当てられています。
そのため、引き継ぎ相手を用意することや、引き継ぎの業務自体は、会社の責任となります。
引き継ぎに時間がかかることや、業務に対しての責任というネタで、退職日を引き延ばそうとする会社をよく見ます。
そこに引っ張られず、尚且つ会社に迷惑をかけずに業務を引き継ぐためにも、しっかりと以下のポイントを押さえ、事前に業務を整理し、引き継ぎのイメージを持つようにしましょう。
- タスク(作業)ベースで今の業務を細分化する
- 引き継ぎに必要になりそうな資料や打ち合わせを洗い出す
複雑な業務でも、タスク(作業)ベースで細分化することで、1つ1つのタスクが単純化されます。
単純化することで、引き継ぎもやりやすくなり、スムーズに引き継ぎができるようになります。
会社任せの引き継ぎにならないように気をつけましょう。
転職先の入社予定日を確定する
さて、就業規則の確認や現在の業務を整理した上で、現在勤めている会社に退職届を提出してから退職まで、どれくらいの期間が必要なのか見えてきたと思います。
そして、改めて、次に転職をする会社と、入社予定日に関して、しっかりとすり合わせを行いましょう。
その入社予定日が、就業規則や業務引き継ぎ上、あまりにも非現実的でリスクがあるものであれば、しっかりとそのことを伝え、双方にとって妥当な入社予定日を設定しましょう。
注意点としては、入社予定日が明確になっていない状態で、現在の会社と退職交渉に入らないことです。
なぜなら、退職交渉がスムーズにいかず、転職先が想定していた以上に入社予定日が延びた場合、転職先への心象が悪くなり、最悪の場合は内定を取り消される場合もあります。
そのため、退職交渉に入る前に、必ず転職先と入社予定日を確定させるようにしましょう。
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退職の意思を確定する
退職の意思を会社側に伝える前に、本当に退職をしてもいいのか、自問自答をしましょう。
「引き止められても、退職をする意思はあるのか?」
「昇給や昇格をちらつかされても、退職をする意思はあるのか?」
「転職をしようと思った本来の理由は何か?今回は正しい決断なのか?」
退職の意思が固まっていない状態で、退職交渉をするのはやめましょう。
もし引き止められ、退職を取り消したとしても、一度退職を切り出したという事実は残り、腫れ物の様に会社に思われ続けるリスクがあります。
一度退職の意思を伝えたら、もう後戻りができないという覚悟を持って、退職交渉に臨む様にしましょう。
会社へ退職の意思を伝える
さて、いよいよ会社へ退職の意思を伝えましょう。
以下のポイントを必ず押さえるようにしましょう。
- 最初に直属の上司へ口頭で伝える(上司より先に人事部や同僚に伝えない)
- 転職先と入社予定日がすでに決まっていることを伝える
- 転職先の会社名は絶対に伝えない
- 退職理由はあくまで一身上の都合、会社への不満をぶちまけない
- 次のスケジュールの確認、ログを残すようにする
最初に直属の上司へ口頭で伝える
まずは、直属の上司へ口頭で退職の意思を伝えましょう。
間違っても、直属の上司よりも先に、人事部や同僚、直属以外の上司に先に伝えたりはしない様にしましょう。
然るべき手続きの流れを踏まないと、後々問題になる可能性があります。
また、直属の上司からの心象も悪くなり、本来順調に進められるものも、進められなくなる恐れがあります。
転職先と入社予定日がすでに決まっていることを伝える
退職交渉という文言からも、退職交渉というのは、退職するかどうかの相談や交渉と捉えがちですが、そうではありません。
退職する意思はすでに固まっており、退職希望日も就業規則に則って適切なものであり、あとは退職までの引き継ぎや手続き、スケジュールを打ち合わせするものと考えましょう。
そして、もし引き止めにあっても、気持ちは変わらないという意思を強く伝えましょう。
転職先の会社名は絶対に伝えない
転職先の会社名は絶対に伝えないようにしましょう。
わかりやすい例としては、転職先が今の会社の競争相手となるような場合、企業機密情報の観点でリスクが発生します。
ただし、それよりも怖いのが、今の会社の社員が転職先の社員の誰かと繋がっている場合、あなたに関しての情報が転職先に伝わってしまう恐れがあります。
それが良い情報であれば問題ありませんが、今の会社から見ると、あなたは退職をして去っていく社員のため、あなたのことが悪いように伝えられる可能性も否定できません。
そうなると、せっかく新たなチャレンジをする転職先で、最初から評価を下げている状態で働き始めるという可能性もあります。
今の社会、どこで誰が繋がっているかわかりません。
その転職先が、今の会社と全く関係ない業界や地域にある会社だとしても、退職交渉の中で転職先の会社名は伝えないことをオススメします。
退職理由はあくまで一身上の都合、会社への不満をぶちまけない
退職理由は、必ずしも明確に伝える義務はありません。
ただし、当たり前ですが、会社側は納得した理由を聞きたいと思うはずです。
その時は、会社の不満をぶちまけないようにしましょう。
退職交渉で心象を悪くすると、進められるものも、進められなくなってしまいます。
あくまで、一身上の都合であり、今の会社が悪いのではなく、自分のキャリアを構築する上で、より良い会社があったと伝えるようにしましょう。
次のスケジュールを確認、ログを残すようにする
最初に直属の上司へ退職の意思を伝え、そこで全てのスケジュールを確定させことはできません。
直属の上司も、その上司の上司や人事部に伝え、手続きや引き継ぐ社員を確認しなければなりません。
ただし、スケジュールを直属の上司や会社側に任せるのはリスクがあります。
退職交渉の場では、必ず次のスケジュールを確認するようにしましょう。
そして、話をして決まったことや伝えた内容は、改めてメールなどを送り、ログを残すようにしましょう。
特に、退職届けや退職の手続きを、いつ頃、どのように進めていくべきかは、必ずスケジュールの中で確認をしていきましょう。
まとめ
退職交渉をうまくやるのも、仕事をうまくやるのと同じです。
しっかりと計画や準備を行い、決めたことを実行し、次に向けて管理をしていくのは、通常の仕事と全く同じです。
ただし、仕事の一部として完全に割り切るのではなく、これまでお世話になった会社に対して、必ず感謝の気持ちを示し、会社側もあなたが働いてくれたことに感謝をしてもらえることが大切ですし、それが円満退社と呼ばれるものだと思います。
その気持ちは忘れず、退職交渉に臨むようにしましょう。
そして、万が一にも退職交渉が難航し、泥沼化した場合は、「退職交渉が難航した場合の解決方法とリスク回避方法」ご案内します。