海外移住先、海外就職先として、多くの選択肢がある中、マレーシアは高い人気を誇ります。
気候が良く、都会も自然もあり、物価も安く、マレーシアで就職・転職をして働くことを希望する方は多いです。
そして、就労ビザの条件においても、他の国と比べて厳しくなく、その分マレーシアで働いている日本人も比較的に多いです。
しかし、マレーシアのような海外移住先・海外就職先として人気の国は、現地人の雇用を守るために、ビザの条件が徐々に厳しくなっていく傾向があり、住みたい・働きたいと思っても簡単にいかないケースも増えていきます。
そこで、今回はマレーシアで働くための就労ビザについて、最新の情報(2017年9月時点)をご案内したいと思います。
就労ビザの種類、取得条件、取得方法、必要書類、取得に要する期間など、マレーシアで働く予定の方や実際に働いている方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
マレーシアで働くための就労ビザの種類
就労ビザだけでも多々種類はありますが、今回はその中でも就業時に最も使われる5つをご紹介したいと思います。
- 雇用パス(エンプロイメント・パス / Employment Pass)・・・雇用企業がスポンサーとなる最も一般的な就労ビザ
- レジデンス・パス( Residence Pass )・・・高度な技能を持っている人材向け、雇用企業のスポンサーに依存せずに最長10年の就労・在住ができるビザ
- プロフェッショナル・パス( Professional Pass )・・・技術指導や機械修理等プロジェクト単位で発行される短期就労ビザ
- ディペンデント・パス/就労許可( Dependent Pass / Permission to Work )・・・雇用パスを取得している方の配偶者・子供等が働けるビザ
- マレーシア人の外国人配偶者の就労許可・・・マレーシア人の配偶者である外国人向けの就労ビザ
ここからは、こちら5つのビザの取得条件や取得方法などを詳しくご案内します。
雇用パス(エンプロイメント・パス / Employment Pass)
雇用パス(エンプロイメント・パス)は、マレーシアで働く駐在員やマレーシア現地で雇用される現地採用者向けの最も一般的な就労ビザです。
マレーシア現地では、Employment Passを略して、EPと言われたりもしています。
マレーシアの雇用主(マレーシアで法人化された日系企業、マレーシアで登記されている日系企業の支社、マレーシアの駐在員事務所など)に採用され、この雇用主がスポンサーとなり発給されるビザとなります。
雇用パス(エンプロイメント・パス / EP )の就業条件によるカテゴリー
種類 | 給与条件 | 雇用期間 | 家族の帯同 | 更新回数 | メイドの雇用 |
カテゴリー Ⅰ | 月給5,000 リンギ以上 | 2年以上 | ○ | 更新時に決定 | ○ |
カテゴリー Ⅱ | 月給5,000 リンギ以上 | 2年未満 | ○ | 更新時に決定 | ○ |
カテゴリー Ⅲ | 月給2,500~4,999 リンギ | 1年以下 | × | 2回まで | × |
雇用パス(エンプロイメント・パス / EP )の取得条件
- 就業する会社(雇用主)が決まっていること(雇用主がビザスポンサー)
- 最低月額5,000リンギ以上で雇用をされること
- パスポートの有効期限が1年以上であること
- 就業する会社(雇用主)が外国人を雇用できる要件を満たしていること(その会社の資本金や資本構成をチェック)
- 個人所得税の納付証明書(雇用パスを更新する時)
取得条件はその都度変わりますので、必ず現地のビザエージェントやマレーシアのイミグレーション(入国管理局)で取得条件をご確認ください。
雇用パス(エンプロイメント・パス / EP )の申請・取得方法、必要書類、取得期間
雇用パスは、雇用されている会社が、入国管理局の外国人サービス部門(Expatriate Service Division: ESD)に対してオンラインで申込みを行います。
その後、会社側が必要な書類を提出し、認可書を取得します。
【提出必要な書類(就業者個人)】
- 英文の履歴書
- 証明写真2枚
- 卒業証明書
- パスポート+パスポートコピー
- 雇用契約書
認可書が取得出来たら、雇用パスの申請者(ビザを取得して働く人)は、マレーシアに入国する時に、入国管理局のカウンターで認可書を提示して入国をする流れとなります。
一般的に取得に要する時間は約1か月です。スピーディに進められれば2-3週でも取得可能です。
必要な書類に関しても、都度変更があったりしますので、基本的には雇用主が、現地のビザエージェントやマレーシアのイミグレーション(入国管理局)に必ずご確認ください。
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レジデンス・パス( Residence Pass )
レジデンス・パスは、マレーシア国家の重要経済分野において、優秀な外国人をマレーシアへ誘致することを目的としたビザになります。
専門的なスキルもそうですが、長期的にマレーシアで働いている人でも、このビザを取得できることができます。
通常の雇用パスをアップグレードしたようなものになり、レジデンス・パスならではのメリットが享受されます。
レジデント・パスとも言われたりしていますが、英語からすると、レジデンス・パスが正しいと思います。
マレーシア現地では、Residence Passを略して、RPとも言われたりしています。
レジデンス・パス( RP )のメリット
- 最長10年間マレーシアにおける就労や滞在が可能になります
- 就労先を変更しても、パスの変更が不要です(EPは雇用主がビザスポンサーになるため、就労先の変更に基づいてEPの変更も必要)
- 配偶者及び18歳未満の同伴家族もレジデンス・パスの申請が可能、配偶者もレジデンス・パスによって就労が可能になります
- 18歳以上の同伴家族、両親、義理の両親にも5年の滞在が認められる滞在ビザ(Social Visit Pass)の申請が可能になります
レジデンス・パス( RP )の取得条件
- マレーシアに5年以上滞在し、3年以上の継続的な勤務経験があること
- 大卒以上でマレーシア経済への貢献が期待できること
- 年収14万4,000リンギ以上でマレーシアで2年以上所得税の支払いをしていること
取得条件はその都度変わりますので、必ず現地のビザエージェントやマレーシアのイミグレーション(入国管理局)で取得条件をご確認ください。
レジデンス・パス( RP )の申請・取得方法
以下のTalent Corporation Malaysia Bhdウェブサイトより申請が可能です。
http://Talent Corporation Malaysia Bhd
プロフェッショナル・パス( Professional Visit Pass )
プロフェッショナル・パスは、製造業のプロジェクトで、技術顧問や機械修理等の業務で、滞在する期間があらかじめ決まっている1年未満の短期就労ビザとなります。
マレーシア国外の会社で働いている場合でも、プロフェッショナル・パスを取得することが可能です。
プロフェッショナル・パスにおいて、認可された活動内容のみをマレーシア国内で行うことが可能です。
プロフェッショナル・パスの取得条件
- マレーシア国内で保証人を立てられること
- 契約内容や活動内容が提出できること
プロフェッショナル・パスに関しては、家族の帯同は認められていません。
取得条件はその都度変わりますので、必ず現地のビザエージェントやマレーシアのイミグレーション(入国管理局)で取得条件をご確認ください。
プロフェッショナル・パスの申請・取得方法
会社側が、入国管理局(ESD)にオンラインで会社登録を行います。
その後、申請理由書やマレーシア国内の保証人による保証書、活動スケジュールを提出します。
申請・取得方法はその都度変わりますので、必ず現地のビザエージェントやマレーシアのイミグレーション(入国管理局)で取得条件をご確認ください。
ディペンデント・パス/就労許可( Dependent Pass / Permission to Work )
雇用パス(EP)取得者の家族は、滞在ビザとしてディペンデント・パスの申請が可能になります。
雇用パス取得者の配偶者は、ディペンデント・パスを持っていれば、就労許可を取得して働くこともできます。
学童はディペンデント・パスに加え、就学許可(Study Approval)を取得して就学します。
滞在期間は、雇用パス取得者の雇用パス有効期間に付随します。
ディペンデント・パスの申請・取得方法、必要書類
- ビザ申請書
- パスポート
- 証明写真
上記書類で申請をすることが可能です。
申請・取得方法はその都度変わりますので、必ず現地のビザエージェントやマレーシアのイミグレーション(入国管理局)で取得条件をご確認ください。
マレーシア人の外国人配偶者の就労許可
マレーシア人と結婚をしている外国人が、配偶者として1年以上の長期滞在ビザ(最長期間5年)を保持している場合、就労許可を申請・取得することができます。
マレーシア人と結婚した外国人配偶者の場合、通常の雇用パスで設定されている必要条件(月給5,000リンギ以上など)の制限がなく、就労許可を得ることができます。
マレーシアは高卒でもビザ取得はできる?
ほとんどの国では、就労ビザの取得条件として、大卒以上が入っています。
しかし、マレーシアにおいては、学歴の要件はあまり厳しくなく、高卒でも就労ビザの取得は可能です。
レジデンス・パスにおいては、学歴の要件が一部入っていますが、専門的なスキルを持っていれば、大卒でなくても取得ができたケースも多々あるようです。
まとめ
今回取り上げた5つ以外にも、一時就労パス(Temporary Employment Visit Pass)などの出張用ビザなど、多くの種類があります。
通常、マレーシアで駐在、現地採用で働く場合には、今回取り上げた5つの就労ビザに収まるケースがほとんどです。
ビザの取得条件や取得方法は、その時々の国の方針で変わることがありますので、就労ビザを取得する場合は、常にマレーシアの入国管理局のホームページや現地ビザエージェント等に確認をしましょう。
今回は以上です。
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